東日本大震災被災地でのEM支援活動の紹介
三陸新聞 2011年6月2日付 より引用
引用開始
『 東日本大震災から80日が過ぎ、行方不明者の捜索とともに、がれきの撤去が進む中、営業再開をする商店や企業がふえつつあり、復旧・復興の兆しが見えてきている。ところが気仙沼市は“さかなのまち”だけにがれきの中にはヘドロや大型冷凍・冷蔵庫に保管されていたサンマ、サバ、イカ、イサダ、メカ、ヨシキリのすり身などの魚類が大量に混じっている。市内の冷蔵庫には大量の魚が保管されていたそうで、散乱した魚は膨大で、暖かい日が続くようになって、このところ発生する悪臭やハエに周辺ばかりでなく、広範囲の住民が、この解決策に頭をいためている毎日だ。
特に厳しいのは市内渡路上内田囲い。約14ヘクタールの水田のうち、約10ヘクタールが津波の被害を受け、1000トンを超える魚類が、がれきに混じっているとされ、被災見舞いに訪れた人も数分で帰ってしまうほど周辺集落には酷い悪臭が漂う。市や保健所などにも再三相談したが“たらい回し”でらちが明かない。
このため周辺の人たち関係者(地主を含む)と階上大谷土地改良区、地区水利組合の了解を得て先月21日、津波の被害を受けた内田囲い約10ヘクタールで「EMアグリ・フィッシュ・クリーン大作戦」を展開、EMを散布した。
(中略)
EMは市内牧沢の理想産業・足利秀紀さんから約100トン(希釈液)と粉末数十袋を提供してもらい、JA南三陸の協力で物見生産組合、鹿折東中才地区の有志などから大型噴霧器を4台借り受け、小型噴霧器数台(参加者持参)も用意した。
散布作業は茨城県から深夜に出発してきたというボランティア26人をはじめ、
(中略)
約70人が参加、善意と団結、絆の深さに感謝、感激する。
散布は噴霧器隊と手まき隊に分かれ、手まき隊は如雨露やプラスチックのバケツにEMを入れ、噴霧器が入れないところにくまなく散布した。散布すると鼻を突く悪臭は和らぎ、変色した水は徐々に透明度を増していく。
驚異的な効果にボランティアの皆さんはじめ、参加者全員が感激。作業前に効能を述べていたEM提供者の足利さんは“したり顔”でいる。
午前10時から休憩を挟んで午後3時には約10ヘクタールの散布が終了。ホッと胸をなで下ろす。EMの効果は聞いたことがあるが、体験したことがないだけに、何も手を打たないでいるよりは・・・という軽い気持ちだったが、翌日の早朝はEMの効果を実感した。
百聞は一見に如かず
何と、あれほど鼻を突いた悪臭は、大幅に和らぎ、マスクをしなくても苦にならないほどになっていた。散布から2週間、悪臭は相当に和らぎ、白壁が真っ黒になるほど発生していたハエも徐々に減っている。「ウジは死なないが、ハエにはならない」と話していたのを思い出し、あらためて納得した。
この微生物集団が作り出す酵素や抗酸化物質は、日常生活のあらゆる分野で有効であることが分かり、現在では農林水産業、畜産業に止まらず、病院、理美容店、園芸、ペットショップ、食品加工業、清掃業、一般家庭などで活用されている。
気仙沼市内でも15年前から小学校や幼稚園のプール浄化、河川浄化などに活用されて成果を上げており、今回の東日本大震災でも青森県の八戸市をはじめ、岩手県のほぼ全域、気仙沼市内でも水産加工場や冷蔵庫、田中前地区などで「悪臭が消えた」と評判だ。
(中略)
今回の震災で避難所のトイレから始めたEM散布ボランティア活動を聞きつけたフカヒレ工場や商店街などからも依頼が舞い込んでいる。
EMを散布してもらった新中央商店会の赤間会長は「悪臭に悩まされていたが、効果ははっきり出た。被災地全体でEMを活用してほしい」と話している。渡路上内田囲い約10ヘクタールの水田では特別に調合したEM約100トンを散布した後の脱臭効果は明白で、ハエの発生抑制にも効果があるようだ。
散布後は報道関係者や県・市、県議会、市議会関係者も注目し、連日視察に訪れている。
(後略) 』
引用終了