ペルテス病治療日記

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2008.3.17
牽引入院
 牽引のため入院。寝た状態で足を(バランスをとる為両足に)2kgずつのウェイトで引っ張り股関節の動きを確保します。食事、トイレ、シャワー、リハビリ時以外は引っ張った状態。付き添い人は宿泊が出来、折りたたみベットを病院から借りて子供のベットの横に置いて宿泊します。個室ではないので付き添いは大てい母親でした。

牽引での痛みはありませんでした。
2008.3.18
入院2日目 
 朝 から鈴木先生の回診がある。体操を覚える、松葉杖の練習、MRIと今日の予定をいわれるが、MRIは21日に変更となる。足の動きを見て、緊急性はないか ら、牽引が終わって状況が良くなれば松葉杖で退院で、4月の末あるいは5月の頭手術?????見たいな感じの説明で、思っていたよりゆっくりの経過になる かもしれない。

2008.3.25
一時退院
 牽引が終了し予定通り一時退院。この先の手術予定について先生から説明があり、術後1週間で退院、3週間自宅安静、3週間の入院でギブスカット、リハビリ、松葉杖練習、で退院。その後は1ヵ月ごとの通院と大体の予定を教えてもらう。
 夜、6時ぐらいに無事到着。本当に嬉しい。4人で回転寿司を食べに行く。病気になる前みたい。嬉しい。
牽引入院中もそうでしたが、1日に2回ペルテス体操をしてあげ、動きを良くさせます。所要時間は10分程度ずつ。
小学校は今日から春休みに入ってしまったので終業式には出席出来ませんでした。


手術の時まで松葉杖で生活します
2008.3.30
 ペルテス体操をするが、少し足の開きが悪くなっている気がする。できるだけ1日3回するようにしよう。入院までかぜひかないように、足の開きが悪くならないようにしなければならない。

2008.4.8
手術入院
 手術入院のため東京の水野病院へ。明日は手術なので、息子も不安であることは表情から読み取れます。手術のため夕方以降は食事をとらず、飲み物も翌朝までです。小学校の方はまたまた今日から新学期なので始業式には出席出来ませんでした。

2008.4.9
手術
 午前はとなりのベッドのお子さん(5歳)が内反足の手術で、うちの息子は午後2時からでした。
みんなに行ってらっしゃいと見送られ手術室に入っていきました。その間家族は病室で待機していました。手術が終わり5時くらいに病室に戻ってきました(実は、私たちの認識不足のため手術後、集中治療室みたいなところで経過をみるものと思っていましたが、直ぐに一般病室でした)。直後は麻酔が残っていて少しボーっとしていましたが、意識はありました。痛み止めのおかげで痛みも訴えませんでした。
足はプラスチックのギブスで足首から胸のあたりまで固定されているので起きあがる事が出来ません(起きあがらないように固定します)。

 胃も麻酔でお休み中なので、飲み食いは6時間以上たってから。のどが渇いたら飲ませるのではなく、ガーゼを湿らせて拭く程度。1、2回吐くこともあるかもしれないが、大丈夫なので、驚かないで吐かせて。そんな内容の説明で。
子供専門の麻酔の先生に麻酔していただいて本当に安心して手術を受けることができてほっとする。すぐ鈴木先生から説明を頂く。問題なく無事終了し、骨頭をしっかり包み込むことができたとのこと。最初のレントゲン写真では骨頭が大腿骨から少しはみだし始めていたが、手術でがっちり包みこんでもらった。

 とても順調なので、退院もこのまま問題なければ、来週月曜にでもと言われる。子供は麻酔が効いていて痛みは無い。かゆがるので、お腹の中に届くよう、ハンガーを変形させて孫の手みたいな感じにしてかく。ちょっと面白い。痛いよりぜんぜんいい。夫と弟がいるうちは、かゆみだけで痛みも無い。ほっとする。新しく子供の担任になった先生から電話を頂く。無事手術を終えたことを話す。お友達も待っているので、頑張ってとメッセージを頂く。もちろん夕ご飯は食べれないが、なぜか食事はでる。食べない。麻酔でお腹もねむっているので、6時間以内は何を飲んでも食べても吐くので、のどの渇いた子供にはかわいそうだが、吐いたらもっと可哀想なので、我慢してもらう。

 二人がホテルに引き上げると、子供もすぐ寝る。私もすぐ寝る。夜起きるだろうから、今のうち。寝る前に一匙だけお茶をのむ。大丈夫。もどさない。夜11時を回って目を覚ます。足を痛がるので、鎮痛剤の座薬を使う。効いたみたいで、短時間で 再び寝る。今のところ点滴は2本目。夜2時、もう一度目を覚まし、おしっこ。何とか尿瓶でできるようになる。導尿しなくてもよくてほっとする。股をかゆがる。ギブスがあたってるし、ギブスを覆っている綿みたいなのがちくちくする。かいたり、薬を塗ったりする。



手術は大腿骨上部の内側をくさび形に切り骨頭部を内向きにして骨盤に納めるため、手術後はもう一方の足より数cm短くなり大腿骨骨頭部外側も少し出っ張るということですが、成長するに従い、差違はなくなってくるそうです。





2008.4.10
手術翌日
 朝7時、再び痛み出し、座薬を入れる。ギブスの周りを少し直して、かゆみの元を何とかする。朝ごはんは海苔巻きとわかめスープで、一杯食べれる。お茶やポカリも飲める。吐き気なし。熱が38度2分。座薬で熱は少し下がるとの事。かゆみがひどく、何度もかいたり、薬を塗ったりする。先生の回診もあり、状況がいいのは出血が少なかったので,体が楽とのこと。80ccだけなので、骨や肉を切ってもそれしか出血の無いことに驚く。看護婦さんが体を拭いて、ギブス周りの処理をしてくれる。なんにしろ、二日目とも思えないほど、状態はいい。薬で抑えてるためとはいえ、痛みが無いのは何より。熱はあっても、食欲も元気もあるので、痛いよりはいい。点滴も自分で水分が取れれば大丈夫とのことで、朝で終わりにしてくれる。点滴が取れて自由になって子供は嬉しいようだ。なによりゲームが出来て嬉しいらしい。

 午後になって夫と次男が家に帰るので、子供も少しおとなしくなる。夜ご飯はカレー。でも熱も38度あり、少し痛みも出てきて、元気が無い。飲み薬を希望したが、先生がいないので、勝手に薬を出すことができず、また座薬になる。座薬は気持ち悪いらしく嫌がったが、痛みは厳しいみたいで、結局座薬をする。起きているからか、痛みがなかなか消えないみたい。かわいそう。熱は7度5分から8度を行ったり着たり。大体一週間はこれくらいの熱が続き、徐々になくなるとの事まだ2日目なので、こんなものだろう。

手術直後から2日間は痛み止めの座薬を入れたため痛みは思ったほど訴えませんでした。3日目、4日目は痛み止めを服用し効果の境目で少し痛がっていました。5日目からは痛み止めを服用していませんが痛がっていませんでした。ペルテス病
手術の翌日、早速DSで遊んでいます
2008.4.11
手術後2日目
 熱 は相変わらず7度後半から8度台。頭と足を冷やし続ける。先生がギブスの当たっているところを少し切ってくれて、かゆみが少しよくなる。食欲あり。飲み薬 の鎮痛剤を処方してもらう。粉もシロップも大きくなってきて量が多くなってきたので、粒の薬にしてもらう。鈴木先生が、「どう?」と回診に来てくれるが、 何も問題なし。こんなに問題無しでいいのかなと思うくらい。上手な先生にやってもらえて本当によかった。当初月曜に帰ってもいいと言われてビックリしたけ ど、やはりそれがよさそうだ。飲み薬の粒は大きく、初めてなので、少し戸惑っていたが、何とか飲み込めた。看護婦さんが頭を洗ってくれる。夜に何度か痒がったり痛み出したりして起きるので、昼寝をしていたら、親戚の叔父さん夫妻がお見舞いに来てくれて、子供は起きてるのに付き添いが寝てて大笑い。頑張ったねと子供を励ましてくれる。遠いところを何度も来て頂いて、子供のことを気にかけて頂いて本当に有難い。

2008.4.12
外出
 雨が降っていないので、リクライニング車いすに乗せて散歩に行く。
子供の体重は26キロ、ギブスが1−2キロとのこと。普段ならおんぶだっこは軽いのだが、寝たままの状態をキープして車いすに乗せなければいけないので、よろけそう。でも踏ん張る。目的地は近くのレンタルDVD屋さん。牽引入院時から、何度もレンタルDVDを借りている。何しろ寝たきりなので、勉強もままならず、結局DVDをみているか、DSするか、いづれかしかない。本をあまりみない子なので、買ってきても役に立たなかった。なので、DVDでポケモンを次から次へと見放題。夕方、夫のお姉さん達がお見舞いに来てくれる。お菓子やイチゴやお弁当や、食べ放題です。色々気遣って頂いていつも本当に有り難うございます。


2008.4.13
 日曜日なので、先生の回診もなく、熱も落ち着き、痛みもなく、薬もなく、することがない。最初に「月曜退院」と聞いたときは、「え〜!!早すぎ!」と思ったけど、実際それで丁度良いんだなあと実感。同じ日に手術をしたお隣さんは今日退院。5歳だし、手術内容が我が家のより少し痛みのあるものだったので、大変そうだったが、とても頑張っていた。その子はもう一回手術が必要なので、まだ段階的には半分だけど、早く全部直して、歩けるようになるといいね。暇なので、お母さん達に話を聞く。女の子は前回同様股関節脱臼で、お一人は以前から(鈴木先生が滋賀の時から)先生にかかっていたとのこと。我が家は滋賀までは通えないので、先生が東京に来てくれて本当にラッキーだったと思う。日本全国から滋賀に来ていたそうで、親の気持ちはみんな同じ。

 股関節脱臼の手術は、ペルテスとにているので、ギブスの状態や、術後の経過が似ていて、参考になる。前に入院したときも皆さん股関節脱臼の方だった。術後一ヶ月以内に無理して上体を起こしていると骨を留めたピンのところが凄く痛くなると聞いたので、気をつけなければ。もう一人のお子さんは子供と同級生の女の子。お互い学校も気になるけど、でも体の方が大事だから、頑張ろうね。子供同士はテレもあるのか、ほとんど話はしなかったけど、お菓子を頂いたり、話したり、お母さん達にはとても良くして頂きました。同じ思いを抱えてここにたどり着いて手術を受けた方達。お互い大変だったね。いや、うちはまだ良いのかもしれない。股関節脱臼の牽引治療は本当に長期間かかる。その上で手術になるのは股関節脱臼と言われた中でも100人に1人と前の入院時にお隣さんだった方がおっしゃってた。その低い確率の手術の人が、ここに集まってくる。

 皆さんは頭を洗うときはどうしているのか?病院では移動式のシャンプーマシーンみたいなのでベットに寝たまま洗えるが、家ではどうしたらいいのか。聞いてみると、台所のシンクで洗うとのこと。何とか台をシンクに寄せてそこで洗うので、夫婦2人がかりでなので、2−3日おきぐらいにということだった。我が家はどうしよう。


2008.4.14
退院
 退院。朝の先生の回診で「どうだった?」と聞かれて、私の正直な感想は「楽でした」。何しろ、術後も特に吐くとかなく、痛みが出たら痛み止めで止まるし、熱は出ても子供は元気なので良いし、痒いぐらいで、何も問題がない(でも痒いのも辛そうですが)。今度は3週間後に再入院してギブスカット、リハビリを行います。

 10時過ぎに夫が到着し、荷物を積んで、子供を寝かせたまま乗せて家に向かう。東京から宮城まで5−6時間かかるが、子供は車の中で寝ているので、特に問題なく家まで到着。保育所から次男も帰ってきて、やっと家族みんながそろう。長旅で、少し子供の熱が上がってきた。38℃。疲れもあるので、夜ご飯はサラッとで、早めに休ませる。まだ一週間経ってないので、この程度の熱は仕方がない。病院のパラマウントベットのように、起きあがることは出来ないので、枕や下敷きで調節する。

2008.4.16
自宅で静養
 自宅に戻り2日目。夫手作りの介護用移動ベット(ホームセンターでイレクターを買ってきて作りました)で、シャンプーとトイレが出来る。何とか風呂場で頭が洗える。1ヶ月間はお風呂に入れないので、(ギブスは濡らしてはいけない)体を拭くだけ。なので、おむつでなくてトイレで出来るので大変良い。リクライニング車いすで、家の前を散歩するが、行ける範囲が狭いので、今度桜の咲いている段差のない公園を探さなければ。

 

便器の上にお尻が来るようにして、大便をするときはトイレの中にこのまま入れてさせます。
2008.4.18
 気持ち的には、発覚当初のどん底の気分からは上昇したものの、不安なことは多い。不安定。毎日泣けてくる。でも子供が頑張っている。だから、親は出来るだけのことをしなくては。大人になって普通に歩いたり、重いものが持てなかったら大変だ。まして男なので、自分の力で生きて行くには本当に普通の体でいることは大事なこと。元通りに戻ることを信じて手術を選んで、今に至っている。手術してまだ一週間と少しだが、同じように突然この病気を宣告され、どうしたらいいかと思っている方達へ少しでも参考になればと思います。

 

髪を洗うとき、首に床屋さんの上掛けをまいてこのままシャワーします。
2008.4.26
車で遊びに
 ずーっと家の中でつまらなそうだったので、仙台市の科学館に連れて行きました(こういうところは障害者にとても優しく出来ていて助かります)。自分の現状を理解しているのであそこに行きたい、ここに行きたい、遊びたいと自分からせがまない息子も、今日はとても楽しそうにいろいろなアトラクションで遊んでいました(もちろんリクライニング車いすで寝た状態ですが)。

足は4/14以来痛がっていません。
気づいてみれば痒みも最近訴えなくなりました。
2008.4.30
 家庭訪問がある。私はお会いするのは3度目だが、子供は新しい担任の先生と直接話をするのは初めてなので、多分ドキドキしていただろう。下の子も交えて楽しく過ごす。頂いていた宿題のプリントを渡し、「上手に書けたね」と褒めてもらい、子供も嬉しそう。クラスのみんなからの手紙を頂き、とても有り難く読ませてもらう。田舎の小さな学校なので、1学年1クラスしかなく、1年生のメンバーがそのまま2年生のクラスメートになるので、みんなからの「待ってるよ」のメッセージがとても嬉しい。連休明けには再入院して、ギブスをはずし、リハビリが始まる。ギブス姿も板について、それはそれで可愛いが早く自由になりたいね。

2008.5.3
バーベQ
 春なのに、夏のような暑さ。庭でバーベキューをする。リクライニング車いすに乗せればいつも通り子供も一緒に出来る。
久しぶりなので、子供も大喜び。8日には再び東京で入院し、次は3週間と長くなるので、その前に出来るだけ家族みんなで楽しみたい。
ちなみにリクライニング車いすは水野病院出入りのレンタル屋さんで貸してもらいました。
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