ペルテス病治療日記

page   

3/4
2008.5.8
ギブスカット、リハビリ入院(入院3回目)
 3 連続同じ部屋で気持ちが楽。前は部屋は一杯だったが、今回は4人部屋に赤ちゃんが一人しかいなかった。改装中だったトイレや洗面所なども新しく出来上が り、工事の騒音が無くなってかなりいい。午前中にすぐギブスカットがあり、レントゲンを撮る。1ヶ月の長いギブス生活が終わり、1ヶ月ぶりの入浴で本人以 上に親の方が盛り上がっている。す ぐには動かせないので、下のギブスはしたままで、それを包帯で巻いて固定する。姿はカット前と大差はないのだが、ギブスと包帯まきでは開放度が大違い。夜 の無意識の寝返りは心配なので、夜は上のギブスを再度当てて包帯で巻いて寝ることにする。大事な段階で無理して足に影響がでないように。。。
レントゲンでは骨切りした部分の骨が、新しい骨に覆われつつあり、順調。明日からリハビリが始まる。
 
2008.5.9
膝が痛い
 リハビリの担当の方が部屋まで来てリハビリ体操をしてくれた。
ずっと同じ角度で固定されていた膝を曲げるのが痛いらしい。聞いたところ、皆同じだそうで、肝心の股関節よりも膝を痛がっている。股関節は思った以上に普通に動かすことが出来てホッとする。膝は痛がらない範囲で曲げて、後は前に習ったペルテス体操の動きで股関節を動かしてくれた。早く前のように動くと良いなあ。
 
2008.5.12
足が見える
 先生の回診があり、日中の包帯巻きは不要となる。足元すっきり気分すっきり。早く脱皮した足の皮も全部きれいに取れて、きれいな足に戻りたい。傷口のテープを少しはがしてみる。くっついているとはいえ少しどきどき。子供も全部はがすのは怖いとビビッている。半分残して半分剥がす。リハビリしかやることが無いので毎日暇。DSとDVD、そして少し勉強。東京では私たちがいるときは大半が天気が悪く、今日も外出できない。暇すぎ。同室に新しい方が2人入り、やっと4人部屋が一杯になり、にぎやかになる。
 
2008.5.13
リハビリ
 リハビリも 痛いといいながらも順調に進んでいて嬉しい。足がよく上がる。自分で結構自由に回せる。後は膝の痛いのが早く治るといいな。リハビリの先生にペルテスの話 を聞く。この病院では5歳以上は手術だが、5歳未満はどうするかというと、入院して牽引し、ペルテス体操や松葉杖の指導を受け、マスターし、足 の開きの状況もよくなったら、もう退院とのこと。基本的には出来るだけ早く自宅に帰して、普通の生活を送らせる方針で、通常の生活には松葉杖を使用して免 苛をはかり、自宅にてペルテス体操をして新しい骨頭の再生を待つとのこと。装具は不要。5歳未満でも状況によって手術ということもあるそうだが、基本的に は装具不要 の松葉杖使用ということで、やはり患者に優しい対応だと思った。

2008.5.16
散歩、闘病仲間
 来週の金曜日に帰れそうで、後一週間と思うと、勉強を進めたいとか、今のうち東京で少し楽しいところに連れて行こうかとか、いろいろ考えてしまう。とりあえず勉強を少しして、同室の男の子と公園に散歩。今日は再来の外来の日で、前に同室だった方と2組 お会いできて嬉しい。残念ながら同級生の女の子は再入院が決まったそうで、改めて病気との闘いは厳しいなあと感じる。股関節脱臼の子が殆どの入院仲間。ペ ルテスの方に入院中に知り合いになれるだろうか。ちなみにペルテスの手術を終えた方で、経過が悪くて入院する人は殆どいないそうで、その点は少し楽観し ても大丈夫のようだ。ちなみに、股関節脱臼の手術をした人も大抵膝が痛いそうで、同じ同じ。

2008.5.17
家族
 今日は午前中にリハビリ。現在のところ、股関節は115度、膝は65度 まで曲がる。膝はまだまだ。でもそれ以外は凄く頑張ってリハビリに励んでいる。本人もリハビリの時間を凄く待ち遠しそうにしている。頑張ってくれて有難 い。うまくリハビリしてくれる担当の先生に感謝。終わった後、暇なのでまた公園で鳩に餌やりをする。帰ってくると、宮城から次男と祖父母が見舞いに来てく れた。またもや東京のお姉さんに案内して頂いて,お世話になりっぱなし。久しぶりに次男に会えて嬉しい。皆で病室で昼ごはんを食べる。
公 園で少し遊んでから、モノレールの駅まで送っていった。残念ながら駅のエレベーターは小さく、リクライニングの車椅子には無理のよう。結局駅の中には入れ ず、エレベーター前で別れることになる。公共交通機関なのに、乗れそうにない。普通の車椅子は入っても、リクライニングになるとある程度の規模のところ でないと行けない。ちょっとガッカリ。明日は暇なので出かけようかと思ったが、やはり行き先はアリオぐらいしかなさそうだ。両親が帰った後、親戚のおじさんも見舞いに来てくれた。
皆さんに何度も来て頂いて有難いし、申し訳ない。遠いのに、お仕事大変な中、何度もお見舞い頂き、有難うございます。
 3度目の入院にして、やっとあちこち買い物や散歩に一緒に連れて行けて嬉しい。ずっと病院の天井を見ているばかりでは気持ちが暗くなってしまう。スーパーもコンビニもドラックストアも公園もレンタルDVDも屋上も公園もヨーカドーも、どこにでもいける。

2008.5.18
 日曜日。することなし。天気もいいので、アリオの開店時間に合わせて出かける。20分ほどで着くので、もう遠いと思わなくなった。前に行ったときに欲しがった水筒をかう。やはりマックで一休みして、少し買い物して、アリオにも慣れてしまった。私の頭の中は退院のことばかり。先生を捕まえて、いろいろ聞かなければいけない。今後の大体の予定、足のつき方、座り方、していいこと、してはいけない事、日々体操をする以外に心がけること、後は何を聞けばいいのか。子 供は足を揉むと凄く安心するようで、出来るだけ揉む。予定よりはやく帰ると言うと、やはり座ることや松葉杖で歩くことに不安があり、出来るかなと言ってい る。でも早く帰りたいという気持ちももちろんある。ちゃんと動くように、足を揉み続ける。早くレントゲン撮りたい。足揉みと、シャワーを膝に当てて暖めることで筋肉をほぐして曲がるようにと呪文をかける。曲がれ曲がれ曲がれ。

2008.5.19
座位OK
 朝の回診で先生に「今日はレントゲン、良ければ座位OKだから。後少しだね」と言われるが、膝の曲がりが悪いのを見て、2−3日はやはり無理とのこと。やはり予定通り週末ぐらいのようだ。朝一番ででレントゲンを撮ってもらい、昼には座位OKとなる。聞いたところ、どんな体勢で座っても大丈夫で、正座も胡座もOK.立て膝は体重がかかるのでだめ。体育は基本的にダメだけど、運動会の100メートル走とかはみんな松葉杖で走るらしい。授業のプールはだめだけど、保護者が付いて足をつけないように(体重をかけないように)注意してする水泳はOK。家で心がけることはペルテス体操を毎日すること、転倒に気をつけることぐらい。これなら何とかなりそう。
 早速、ベットを起こしてみるが、一ヶ月以上の寝たきり生活のため、角度が大きくなると頭がクラクラするとのこと。少しずつ時間をかけてならしていく。何にしろ、今まで寝たまま食べていたご飯を座って食べることができて、本当に嬉しい。自分で食べるなんて、かつては当たり前だったことがこんなに嬉しく素晴らしい。リハビリの先生が、座位が出来るようになると膝も曲がるようになってくると言っていたので、子供も頑張って膝の訓練をしている。早く普通に座っていられるために、早く立って歩いて家に帰るために、自分で考えて努力している。明日、事情があって付いていることができない。そのため、何とか自分で座って、車いすでトイレに行けるよう、1人でもご飯が食べられるよう、夜まで頑張った。

2008.5.20
1人
 朝ご飯前に、子供を置いて出なければならない。同室のお母さんや看護婦さんにお願いして病院を出る。何とか座れるし、頑張って欲しい。夜になってお姉さんがお見舞いに来てくれたらしい。病院に1人いる甥っ子を気遣ってのことで、本当に有り難い。何とか上手くやってたみたいでホッとする。同室のお母さん達もいろいろ面倒見て頂き、本当に有り難うございます。

2008.5.21
交代
 夫と付き添いを交代する。退院まで後少し。リハビリの時間以外は、散歩に出て気分転換をする。寝たきり車いすでは乗れなかったモノレール(最近完成した舎人ライナー)も普通の車いすになったら、もう乗れる。早速、2駅先の大きくて綺麗な公園、舎人公園まで電車の旅に出たそうです。早く帰るために、松葉杖の練習も頑張る。

2008.5.23
退院
 とうとう退院の日。リハビリをしてもらった後で10時半頃病院をでる。当初3週間と言われていたので、早く退院できて本当に嬉しい。頑張った子供に偉い!!の一言。夕方5時くらいに自宅に到着し、松葉杖はついているが、歩いて出てきた。もう感動。寝たきりだった坊主が、ギブスに包まれていた坊主が、自分で立って歩いてる(松葉杖つき)!
感動感動感動。

2008.5.25
学校への準備
 新学期になってから一度も登校していない小学校。出来るだけ早く行かせたいが、まだ松葉杖歩行が安定していないので、取りあえず放課後に、松葉杖の練習と色々準備を兼ねて学校に行く。担任の先生に挨拶し、実際に登校したとき困らないように、靴箱の位置や机の位置、ロッカーの位置など、一番使いやすいところに設定して頂く。トイレの手すりはまだ付いていないが、近日中に、子供の体格にぴったり合わせて設置して頂けるとのこと。階段の上り下りもしたが、まだ体力的に厳しいようだ。平地でも倒れる。階段でも倒れる。まだ寝たきりから起きあがって一週間なので、焦ることなく、体力が回復するのを待って、来週の月曜からの登校にしようと思う。当初から6月の登校を想定していたので、まあ予定通り。

2008.5.31
快気祝い
 秋田に祖父母と曾祖父母がいる。孫は我が家の二人だけなので、今回の入院で一杯心配させたので、顔見せと快気祝いを渡しに行く。松葉杖はついていても、以前と変わらない子供達の騒々しさに、年寄りだけの家庭もにぎやかになり、ホッとしたようだ。まだ半年から1年松葉杖をつかなければいけないのだが、手術を無事終えて一安心。お盆も正月も松葉杖付きでおじゃまします。
 近くの温泉には、プールも付いていて、入る。最初はどうしたらいいか戸惑っていたが、体重をかけなければ足をばたばたして泳いで何も問題ないので、ビート板を使って泳ぐ。凄い笑顔。楽しそう。リハビリという地味な運動を日々繰り返していたが、そういう運動じゃなく、楽しい運動ができて嬉しい。そのあと温泉にも入る。約3ヶ月車椅子や寝たきりの生活を送ってきたのだ。このぐらいの楽しみはいいだろう。


2008.6.2
登校
 久しぶりの学校。車で送っていく。到着すると、直ぐ同級生達が集まってきた。みんな暖かく迎えてくれた。子供も緊張しただろうけど、変わらない友達の笑顔にホッとしたと思う。クラスの皆さん、本当に有り難うございます。色々面倒賭けるけど、これからも宜しくね。学校は少し疲れたけど、不自由なく過ごせたとのこと。沢山のお友達の手助けと先生の気遣いに感謝。松葉杖はかなり上手くなった。

ペルテス病術後1ヶ月半
2008.6.3
 放課後、友達が遊びに来てくれる。こっちからは行きにくい身としては本当に有り難い。近々、学校の階段にも手すりを付けて頂ける。また、下駄箱も靴を入れやすいように細工してくれるとのことで、学校の対応に感謝。

2008.6.6
初通院
 退院後初の定期検診。病院に着き、受付をすると、見たことのある顔。同じ日に手術を受けた隣のベットの方。お互い懐かしく、お互いギブスが取れた姿を見て、良かったねと話をする。経過も順調なようで、良かった。診察では足の開き具合をチェックしてレントゲン撮影。先生の「いいね〜」の言葉が嬉しい。次は一ヶ月後。他にも2組の入院仲間に会えて、ちょっと入院時代を懐かしく思う。近くの舎人公園に寄ったら、雨の後で滑ってしまい、子供が左足の方から転んでしまった。慌てて病院に電話し、逆戻りでもう一度先生に診て頂く。問題なし。転んだのが病院の近くで、不幸中の幸い。宮城に戻ってからでは悩んでしまうところだった。

2008.6.6
新しい骨頭の誕生
 写真向かって右側(左足)の骨頭部分の白く見えるのが吸収され始めた壊死した骨頭、(この写真では見えにくいのですが)その左右に現れはじめた新しい骨頭。手術の場合この展開が早いと先生も言っておられましたが、この目で見てこれにはびっくりしました。

ペルテス病術後2ヶ月
2008.7.4
通院
水野病院定期通院日。初めての母子二人での通院。今まで夫運転の車で高速道路で通院していたが、所要のため、行きは高速バスで、帰りは新幹線でと初の母子二人旅。
昨夜11時50分出発の高速バスに乗り、朝5時半新宿到着。松葉杖で広い広い構内をゆっくり進む。乗り換えのホームまでが遠く、しかも、エレベーターもエスカレーターも殆ど見つからない。時には負ぶって階段を上り下りして、病院にたどり着くことができた。ラッシュ時ではないので、なんとか電車内も座って移動できる。今までにない東京都内の移動に、疲れつつも楽しい。子供もモノレールや電車が凄く楽しそうだった。病院にも7時には到着し、子供は持参のDSをやり放題だと喜んでいる。親も診察開までのんびり。鈴木先生は今日もさわやかに診察開始。今日はレントゲン不要で、足の開き具合のチェックのみだった。抜釘を夏休み中にお願いできないだろうかと伺ったところ、すでに手術の予約は9月第一週までびっしり入っていて、一番早くて9月10日とのことで、その日にお願いする。事前に8月29日に来院し、小児科を受診して必要な検査を全て行うとのことで、次回来院は8月29日に決定。
抜釘が終わればMRIをとることが可能となるし、そうなると状況を見ながら荷重を開始とのことで、聞いているだけでわくわくする。少しづつではあるが、完治に近づいているようで、嬉しい。先の見えなかった病気発覚当初のことを考えると、すごいスピードで展開しているような気がする。早いことが全てではないが、この大変な状況から一日も早く開放してあげたい。普通に学校に通えても、出来ないことがいろいろある。悔しい思いも一杯しているだろう。もう少し。3年生になる前には、きっと松葉杖も取れて、普通に歩いたり走ったり、自転車乗ったり、友達と外遊びが出来るようになるはず。だからそれまで、頑張って東京に行こう。帰りの新幹線も子供は大喜び。次回も二人で楽しく東京に行きたい。

2008.7.18
一学期修了日。頂いた通信簿出欠欄には、出席より欠席の数字の方が多い。4−5月は全部休み、6月からは通っているが、通院のため2日間休んだ。それでも、一学期の終わりには勉強の方は大体皆に追いつくことが出来た。掃除の時間に個人的に指導していただいたそうで、先生の対応にも感謝感謝。先日授業参観に行ったところ、隣や前の席のお友達がさりげなくプリントを運んでくれたりしてて、勉強も生活も皆に助けられて問題なく学校生活を送れたことに有難く思う。
 夏休みの子供の目標。それは「毎日プールで泳ぐ」
一学期の授業のプールには、私が補助で参加し、足に体重をかけないようにしてプールを他の皆と同じようにすることが出来た。水泳をするときは両手両足自由。皆には当たり前のことでも、うちの子にとっては、唯一皆と同じ状況で遊べる時間。楽しそうに、本当に楽しそうに泳ぐ。自分ひとりだけ親が付いてきてあれこれ世話を焼いて、7歳男児としては当然いやだろうが、そんなことを言っている場合じゃない。最初に泳いだ日は、バタ足をすると曲がっていった。まっすぐ進めない。3月から歩いていないので、筋肉のつき方というか、足の力が左右で大きく違ってきたから。なので、力のある右足だけ強くばたばた出来るので、曲がって進むのだが、夏休み前になったら、結構真っ直ぐ泳げるようになってきた。水泳で左足の筋肉が少しずつついてきたのだろう。水泳はリハビリにいいので、出来るだけプールには連れて行きたい。朝晩ペルテス体操をする。最近は数を数えるとき、「3!」とお笑い芸人になっている。なので、20回ずつではなく、23!までが定番となりつつある。

2008.8.3
キャンプ
家族でキャンプに行く。今まで山のキャンプ場ばかりだったが、今回は初海近くのキャンプ場。隣近所のサイトのお友達と仲良くなり、子供同士一緒に遊んでいて楽しそうだっった。身障者用のトイレがあるところということで、今回は牡鹿のキャンプ村にした。思いっきり蚊にやられはしたが、今年も家族でキャンプが出来てよかった。来年のキャンプには思いっきりあそべるようになってるはずだから。来年もキャンプをしよう。

2008.8.9
プール
土日には学校のプールは休みなので、市の市民プールに連れて行く。昨年腕を骨折し、授業のプールもほとんど出来なかったのだが今年はこんな状況でも、積極的にプール通いが続いている。今はバタ足も真っ直ぐ進める。そして、何より楽しそう。幸せそう。日に焼けて顔が水泳めがねの部分が白く残って、パンダになっている。その顔で笑われると、またプールにつれていってしまうのでありました。
page   

ご連絡を頂く場合はこちらまでお願いします。